僕は壁にそっとひっつくタニシ

近づけば近づいただけ
大きな壁を構える君

傷つきたくない
傷つけたくない


そんなことをいう君は
まるで何かに脅えているよう



君に対抗して
僕も壁をつくろうと
石を積んでみるけど

やっぱり
なんだか
違う気がして



今は


水槽にひっつくタニシのように
君が構える大きな壁に


そっと

ひっついて

壁越しに聞こえる
君の鼓動に
耳をかたむける

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